ここ最近、新型コロナの影響によるストレスなどで精神疾患を抱える人が増えたというニュースをよく耳にします。
そして、その精神疾患のために仕事に行けなくなったり、解雇されてしまったという話もよく聞きます。
誰にも頼れず毎日どうやって生きていけばいいのか益々気持ちが病んでいく…誰しもそんな状況に突然なってしまうこともあるかもしれません。
でも、そんな時こそ生活の大きな助けとなるかもしれないのが「年金」なのかもしれないと私は思っています。
精神疾患と年金と言われてもあまりピンとこない人もいるかもしれませんが、年金のことを少しでも理解していれば、もしもの時に役に立つこともあるかと思いますので、ぜひ参考にしていただければと思います。
そもそも、この「年金」ですが老後に受け取れるお金だと思っている人はかなり多いのではないでしょうか?私は昔そう思っていました。
でも、実は一定の要件を満たせば20歳からでも受け取れる年金がたくさんあります。年金といっても様々な種類があるんですね。
例えば、以下のような年金があります。
・65歳以降の老後に受け取れる「老齢年金」(このイメージが強いですね)
・配偶者や父母、子などが亡くなった時に遺族が受け取れる「遺族年金」
・障害の状態になった時に受け取れる「障害年金」
・離婚をした時に配偶者の年金の一部を受け取れる「離婚時の年金分割」
などです。
これは本当にざっくりとしたものになりますが、「一時金」のようなものも含めると他にもたくさんの年金があります。
今回は、精神疾患などで障害の状態になった時に受け取れる「障害年金」について、簡単にお話ししていきたいと思います。
まず、障害年金というと何をイメージされるでしょうか?おもに身体障害者手帳などを持っている人が受け取れる年金だと連想する人は少なからずいるように思います。
でも、この障害年金というものは「身体的」な障害だけではなく「精神的」な障害についても対象となります。このことを知らないという人はけっこう多くいるのではないでしょうか。
障害年金というのは、20歳から65歳までの間で障害の状態になったときに、誰でも市役所や年金事務所に行って申請をすることができます。
ただ、障害と認定されるには医師による診断が必要ですので、自己判断で精神疾患かもしれないでは申請することができませんので注意が必要です。
日本年金機構のホームページを見てみますと、「障害年金」の対象となる病気やケガについては以下のように記載されています。
1.外部障害(眼、聴覚、肢体(手足など)の障害等)
2.精神障害(統合失調症、うつ病、認知障害、てんかん、知的障害、発達障害等)
3.内部障害(呼吸器疾患、心疾患、腎疾患、肝疾患、血液・造血器疾患、糖尿病、がん等)
次に、受け取れる年金額ですが、障害年金にはさらに「障害基礎年金」と「障害厚生年金」の2つに分かれていますので、どちらに該当するのかによって等級や年金額が変わってきます。
簡単に言いますと、国民年金加入中の障害なら「障害基礎年金」に該当し、厚生年金加入中の障害なら「障害厚生年金」に該当します。
(詳しく知りたい方は、日本年金機構のホームページをご覧ください)
まずは、障害基礎年金の年金額です。(令和3年度)
・1級:976,125円
・2級:780,900円
※障害基礎年金は、1級と2級のみになります。年金額は定額となります。
続いて、障害厚生年金の年金額です。(令和3年度)
・1級:976,125円+報酬比例の年金額
・2級:780,900円+報酬比例の年金額
・3級:報酬比例の年金額(最低保障額585,700円)
・障害手当金:報酬比例の年金額の2年分を一時金で支給
※障害厚生年金は、1~3級および障害手当金があります。
※年金額は、定額+厚生年金加入中の給与額から算出した年金額がさらに加算されます。(給与が高い人のほうが加算額も高いです)
では、もし自分が病院に行って実際に「うつ病」と診断された時、どうやって障害年金を申請すればいいのかですが、
国民年金加入中の障害であるのなら「市役所」、厚生年金加入中の障害であるのなら「年金事務所」で手続きをすることになります。
ただし、ここで「受給要件」というものがとても重要になってきます。まず大前提として、今までに年金をきちんと納めていたのかどうかが一番重要になります。
これまでの年金加入期間のうち、少なくとも直近1年間が納付済、または全期間の3分の2以上を納めていないとそもそも申請することすらできません。
今までの「年金記録」については、最初に市役所や年金事務所に手続きに行った時点で必ず確認されます。いくら重い障害があったとしても、未納期間が多いようならここで申請することなく終了です。
また、仮に納付が確認できて問題なく申請ができたとしても、障害の程度が軽いと判断されれば、最終的に「等級」に該当しないということで支給されない場合もあるようですが。
障害に該当するのかの基準については、日本年金機構ホームページの「障害認定基準」に掲載されていますので、興味がある方はぜひご覧ください。
申請するには診断書などの書類もいろいろ必要になりますので、少しハードルが高い障害年金ですが、
でも、もし認定されれば長く年金を受け取ることができますので大きな生活の助けになります。
もし一人で悶々と悩むくらいなら、ダメで元々くらいの気持ちで相談してみるのもいいかもしれませんね。
このように年金は生活とかなり密着していることが多いですので、自分の身に何かピンチが訪れた時に少し年金のことを思い出してみるものいいのかなと思いました。
それでは、また。