すっかり季節は夏、もう8月上旬です。お盆が段々と近づいてきていますので、今日は少し早めですがお墓の掃除に行ってまいりました。
今年もコロナの影響で、実家に帰省できずお墓参りもできないという方もたくさんいるのではないかと思いますが、
私は実家暮らしをしていますので、コロナの影響などまったく関係なくお盆やお彼岸の前には必ず先祖代々の「お墓」に行き、親と一緒に掃除をするというのが恒例となっています。
お盆やお彼岸の時だけしかお墓に行かないと、お墓はいつもピカピカに綺麗になっているので、きっとそれが当たり前のように思えるかもしれませんが、
雨風、台風などが去った後のお墓は、飛んできた落ち葉や木の枝などが大量に溜まっていますし、せっかく飾った花もしばらく経てば腐って花瓶の底にこびりついていますので掃除がとても大変です。
草が生えないようにと墓石周辺をコンクリートで隙間なく覆っていたとしても、やはり雑草は生えてきてしまうので草取りも大変です。しかも、夏の炎天下の中での作業ですのでかなり体に堪えます。
実家を離れた家族や親戚が戻ってきた時に、気持ち良くお墓参りができるよう裏では地味にお墓掃除をしている人がいるということを時々思い出して欲しいかなとちょっと思ってしまいます。
さて、この先祖代々のお墓ですが、私は「独身」ですのできっとこのままの状態で年を取ると人生の最期にはこのお墓に入ることになります。
なんとなく日本人の多くが、特に誰かに教えられていなくても「結婚」すれば最期は嫁ぎ先のお墓へ入り、「独身」なら実家のお墓に入ることを何も不思議に思わず暮らしているのではないかと思います。私もその中の一人です。
ときどきテレビなどで、お墓を持たないという選択肢の一つとして「海洋葬」「バルーン葬」「宇宙葬」などが取り上げられているのを見かけることがあります。
ただ、どれもあまり一般人向けではなさそうなのですので、真似をする人はそれほど多くはなさそうです。
たぶん私はこれからも、そういった変わり種の埋葬法を選択することはないと思いますが、でも、世の中には家庭の事情などからやむを得ず一般的なお墓の形を選ばない人が増えているようです。
先日、前職でとてもお世話になった66歳の女性の友人に誘われ久しぶりに会ってランチをすることになりました。
その友人は、すでに子供さんは独立していて今は夫婦二人暮らしとのことでしたが、年齢的なこともあり最近は「自分のお墓」はどうするか考えることが多くなったと言っていました。
私は、その友人は旦那様の家に嫁いだのだから旦那様の先祖代々のお墓に入るのが当たり前だと思っていたので、その「自分のお墓」と言っていたことがどうにも気になりました。
続けて話を聞いていると、お墓を持たない埋葬法「樹木葬」というものにとても興味があるとのことで、ここ最近は一般の人にも人気があり茨城県内でも数多くの霊園で見学ができるようになっているとのことでした。
そして、その友人はつい数日前に旦那様と一緒にその「樹木葬」を見学してきたとのことでした。私は樹木葬というものを初めて知り驚きましたが、同時に旦那様と行ったことにも驚きました。でもお墓の話は大事なことですからね。
「樹木葬」とは、墓石の代わりに樹木を用いたり納骨場所の周りに草花が植えられたするお墓のことを言うそうです。
「遺骨」は、桜、紅葉、ハナミズキなどの樹木の根本に納骨し、お墓参りの時には目印である「樹木」に向かって手を合わせるそうです。
樹木葬の始まりですが、歴史は意外と古く1999年に岩手県の一関市のお寺で始まったと言われており、2006年には横浜の公営霊園で設置されてから人気に火がつき、2013年以降は、ガーデニング風の庭園など多様な樹木葬が生まれ今日に至っています。
試しに茨城県で樹木葬ができる霊園などがどのくらいあるのか調べてみたところ、2021年8月5日時点において「26件」もありました。
「費用」については、霊園や埋葬スタイルによってかなり差があるようですが、全国の相場は70万円程度とのことでした。茨城県ですと場所によっては約20万円のところもありました。
一般的な墓石を使ったお墓を建てようとすると、全国平均で約130万円はかかると言われています。お墓以外にも「管理」にかかる費用もでてきます。お墓を持つというのも大変なんですね。
他にもお墓を持たない埋葬法として「永代供養」というものもありますが、費用は10万円~150万円と寺院や霊園によって大きく差があるようです。永代供養にする方は結構多いような気がします。
「豪華」にするか「質素」にするかで費用はかなり違ってきますし、お墓を持つと管理のことまで考える必要がでてくるので、友人の話を聞いていて、なんとなく煩わしさが少ない「樹木葬」を人生の最期に選ぶというのも悪くないのかなと思ってしまいました。
ちなみに、茨城県で有名な世界一の大きさを誇る「牛久大仏」ですが、大仏様の足元にある地下の部屋には「永代供養」のお墓がたくさん納められています。
費用は一区画約20万円からとなっています。仏様にいつまでも守られながら永遠の眠りにつくいう選択もなかなか良いかもしれませんね。
先祖代々のお墓に入ることが当たり前のことだと思っていましたが、その友人から聞いた「樹木葬」の話は、「自分の人生最期の場所は自分で決めても良い」と言われているような気がしてきてなんだか目から鱗でした。ちょっと格好いいなと。
ちなみに、なぜその友人が自分だけ旦那様とは別なお墓に入りたいと思っているかと言いますと、
よくある話ですが、旦那様のご家族やご親戚とかなり険悪の状態とのことで、その先祖代々のお墓に入るなんて考えられないとのことでした。
そうかといって、嫁いでいる以上は自分の実家のお墓に入るというわけにもいかないので、やむを得ず「樹木葬」を考えているということでした。
私の母親も嫁姑問題で長年苦しめられてきて、私はずっとその様子を見てきましたのでなんとなくその気持ちはわかります。本当に嫁はいつまでも大変ですね。
ここで少し余談になりますが、結婚している方でも市町村役場である手続きをすれば「実家」のお墓に入ることができます。
前に私の知り合いでそれをした人がいますが、それは「死後離婚」の手続きとなります。聞いた話ですので、詳細はお住まいの市町村役場でお尋ねくださいませ。
仮に夫が先に亡くなった場合、残された妻はその後も嫁として夫の家族や親族と関係を続けていくのが一般的かと思います。
しかし、市町村役場で「姻族関係終了届」という手続きをすると亡くなった夫と「離婚」することができ、そして夫の家族や親族との縁を切ることができます。姓も「旧姓」に戻ります。
離婚して旧姓に戻れば、実家のお墓に入ることは実質可能ではありますかね。ただ、実家の家族としては少し戸惑うかもしれませんが、それは家族間で要相談でしょうかね。ちょっとしたプチ情報でした。
いずれにしても、私はこの高台にある見晴らしの良い先祖代々のお墓がある場所が好きですので、突然気持ちが変わらない限りはまた来年も恒例のお墓掃除を引き続き頑張っていこうと思います。
それでは、また。
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