今年3月に13年間勤めた会社を辞めてから、あっという間に8月になりました。
もう季節は夏です。
今までずっと気になっていた家の中の片づけをしたり、長年興味があったことをじっくり勉強したり、趣味をいろいろ楽しんだりと在職中にできなかたったことをたくさんしました。
退職して3ヶ月を過ぎた頃には、気になっていたことは一通りできたということもあり、本格的に就職活動を始めてみることにしました。
これまでもハローワークで何度か就職相談はしていましたが、「コロナ禍(不景気)」「40代」「転職回数多い」「特別な資格無し」「三流以下大学卒」の私のスペックでは、
いくら事務系の仕事を望んでも、「介護職」か「派遣」「店員」の求人の話しかないというのが現実です。
そんな状況の中で就職活動をしていた7月下旬。いつものように転職サイトをなんとなく見ていると、自宅から近いところでちょっと気になる求人を見つけました。公共文化施設の契約社員の求人です。
今までの職場は片道1時間程かかる場所にあり、しかも業務量は多く残業もたくさんあってとにかく忙しいところでしたので、今度はもっと体への負担が少ない仕事にしたいと思っていた時でした。
求人票の仕事内容のところには、公共文化施設におけるイベントなどの企画・制作・広報・事業運営に関する業務全般。地域の文化振興に貢献できる仕事と記載されていました。
給与は、基本給20~23万円、賞与年2回、原則更新あり、正社員登用ありとなかな好条件でした。
求める資格や経験については、基本的なパソコン操作ができること、運転免許を持っていること、経験者歓迎と記載されていました。
ただ、ひとつ気になったことと言えば、勤務形態が「シフト勤務」(午前8時~午後10時までの8時間勤務)になっていることでした。
今まで土日祝日休みの完全週休二日制の会社に勤めていましたので、果たして「シフト勤務」は勤まるのかと少し不安な気持ちはありましたが、
今の私には通勤時間が短いことのほうがかなり重要でしたので、さっそく応募してみることにしました。
7月末に履歴書と職務経歴書を作成し、すぐに「転職サイト」を通してメールで書類を提出しました。今は応募するのも簡単ですね。
すると、10日後にその会社の人事担当の方から電話がありました。
電話の内容は、「職務経歴書」に書いた前職でのさらに細かい仕事内容についての質問と、「役職」などがあればそれも追加で記入した上で「職務経歴書」を再提出して欲しいとのことでした。
どうやら私は書類審査を通過したようで、「面接日の打ち合わせをしたいので都合の良い日を教えて欲しい」と話しの最後に言われました。
ただ、「面接」は求人を募集している公共文化施設では行わないとのことで、もしや初の「Web面接」をすることになるのかと一瞬ドキドキしましたが、他の指定の場所で「対面」での面接を行うとのことで安心しました。
そして、約一週間後、私はその指定の場所に向かいました。
到着するとすぐに担当者がやってきて面接会場へ案内されました。そして、中に入ると面接官が2人いました。
最初に感想を言ってしまうと、今まで幾度となく採用面接を乗り越えてきた私が終始冷や汗をかいてしまうくらいの「圧迫面接」だったように感じました。
面接時間は約40分でしたが、始まりから終わりまでずっと答えずらい質問や突っ込んだ意地悪な質問ばかりでかなり参りました。
最終的には「採用」となりましたが、苦し紛れの答えばかりをしていたので、自分でもよくあの面接に通ったと今でも信じられないです。
面接では、私が一般的に良いと言われる模範解答をすると、それに対して常に意地悪な返しをして私の出方を見るというようなことが続き、なかなかマニュアル通りにはいかない状況でした。
後で知りましたが、当日来ていた面接官は2人いましたが、一人は会社の「代表」もう一人は「統括」の担当者(直属の上司の上司)でした。
面接は「自己紹介」「志望動機」「退職理由」という流れ進んでいき、最後には「逆質問」というよくある面接でした。
基本的には、「統括」担当者が質問をして私が答えるという流れでしたが、すぐ隣でそれを聞いている「代表」がその都度割って入ってきて、さらに意地悪な質問を挟さんできました。
そして、一番多く突っ込んだ質問をされたのが予想通りの「退職理由」についてでした。なにしろ私は今回5社目の転職ということになりますので。私のように何度も転職していると当然のことながら企業側はすごく気になるところですよね。
大学を卒業してすぐ勤めた会社から直近に勤めた会社まですべて、「退職理由」と職歴の「空白期間」について事細かく聞かれました。ほとんど尋問でした。
きっと転職回数が多いということが一番の懸念材料だったことは間違いなかったと思います。履歴書の職歴に目を通すなり、
「転職回数が多いようですが、あなたは何かあるとすぐ会社を辞めてしまうほうなんですか?」
といきなりストレートで聞かれました。その時は、過去の経験を活かしてスキルアップがしたかったので転職をしましたと答えましたが、代表は「具体的にどういうことなのか」と私に念入りに確認し、かなり疑っていた様子でした。
「どうしてそうしたのか?」「こうすれば良かったのではないか?」「私が聞いているのはそういうことじゃなくて」と、鋭い目つきで睨むように次々に畳み掛けられました。
もし私が20代の頃でしたら答えられなくて途中で心が折れてしまったかもしれないですが、もう40代ですのでそこはなるべく前向きな発言をするように心がけました。
「在職中に転職活動をしなかったのはなぜですか?」
と聞かれた時は、転職活動を在職中にするのが常識だと私は思っていなかったので、「え?だめなことなの?」とかなり動揺してしまいましたが、
「世間の多くの人は仕事をきちんとしながら転職活動ができるのかと思いますが、私はあまり賢くないので担当業務の方を優先し転職活動ができませんでした」
と思いつきで言うしかありませんでした。その答えが正解なのかよく分かりませんが、そこでも疑っているような様子でした。
「職歴に空白期間が多いようですが、その時は何をしていたのですか?」
という質問には、「スキルアップのためPCスクールに行っていた」「就職活動が難航していた」「資格の勉強をしていた」「家にいた(家事手伝い)」などと正直に答えました。
それについても、やはり何度も私に確認し疑っているような様子でした。終始そのような様子でした。
そして次に、私がその公共文化施設で担当することになる仕事についての説明がありました。そして、一通り説明が終わると、今度は畳み掛けるように質問をされました。
「この仕事に対してのイメージは湧きますか?」
「この仕事をやり遂げるためにあなたは何ができますか?」
「あなたができると言ったことついて具体的に説明してもらえますか?」
私は公共文化施設での仕事は未経験でしたので、かなり答えに困りました。今回「契約社員」の採用でしたので、ここまで突っ込まれるとは正直なところ思ってもみませんでした。
ただ、前職の時に、公共文化施設の会議室を借りて説明会などを主催した経験があったので、そのことを中心に話しました。
代表は、求めてる答えと違うと思ったのかやはり渋い顔をしていましたが、私は最後に会社に貢献できるよう頑張りますと言うのが精一杯でした。
面接の終盤は、配属される職場の状況についての説明とコミュニケーションに関する質問がありました。
「あなたが配属される職場は少人数のところで、年上のパートさんが何人かいますがうまくやれると思いますか?」
「あなたは職員採用なので、パートさんに仕事の指示をすることになりますが、それができますか?」
私は前職で「主任」として仕事をしていたのもあり、これには具体的なエピソードを挙げながら「できると思います」と答えました。さらに、
「あなたの職歴を見ていると今まで指示された仕事だけをしてきたように見えますが、ゼロの状態からイベント企画などをしていくような仕事を自分にできると思いますか?」
という質問もされました。かなり個人の偏見が入った質問でしたのでやや困惑しながらも、
「もう20年位も誰かに指示されたことをやってきたので、そろそろ自分の考えや裁量で仕事をしてみたいと思っていましたので頑張れると思います」
と答えてみました。その辺りからですかね。面接官のもう十分わかったという表情になったのは。
そこから「逆質問」の時まで、さっきまでの鋭い目つきが優しくなって「どのあたりに住んでいるの」とか「そこの場所やお店知ってるよ」とか雑談と軽く質問をされながら40分程で面接が終了しました。
ちなみに「逆質問」は、求人票に書いてあった内容(契約期間等)について少し質問してみました。
面接の結果については、私が別の会社の応募を考えていたため、少し早めに連絡をいただけるようお願いしました。
すると、面接の翌日にはすぐ人事の方から連絡がありました。そして、
「〇〇さん(私)の熱意が十分伝わりましたので、採用となりましたよ」
と言われました。「熱意?」と思いもよらない言葉を言われてしまい、なんだか少し恥ずかしくなりました。確かに頑張ります!と熱く想いは伝えました。
その夜、インターネットで「採用されやすい人」で検索してみました。面接ではたとえ未経験の業界への転職だとしても「熱意」を感じた受け答えをした人も「採用」されやすいと書いてありました。
無意識でしたが、すべての質問に自分なりに前向きに一生懸命答えたことは間違いないですので、それを「熱意」と受け取ってもらえて、結果的に「採用」に繋がったのなら本当に良かったと思います。
さて、採用となれば9月1日から出社となります。
果たしてどんなことが待っているのやら。
それでは、また。
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