【古民家暮らし】家の寿命はどのくらい?終の棲家について考えてみる

田舎

今年、ついに我が家は築50年以上が経過し、なんと「古民家」となりました。

厳密にいうと、古民家となったのは「母屋」のほうです。

 

昔、祖父母が建てた家のほうが「母屋」で、同じ敷地内にある父(長男)が建てた家が「離れ」となっています。

 

祖父母が亡くなってからは、両親が「母屋」のほうに住み、今は私が「離れ」のほうに一人で住んでいるという状況です。

 

そこで、古民家って具体的にいったいどういう家のことを言うんだろうと思って調べてみました。

 

一般的には、建築後50年が経過した建物のことを古民家と言うようなんですが、明確の定義というものはないとのことでした。築50年以上の条件だけなら、けっこう多くの家が該当しそうですね。

 

とはいっても、やっぱり古民家のイメージとしては、長い廊下(縁側)、太い柱や梁、天井が高く広い畳の部屋があって、床の間などがある木造の家を想像するんじゃないんでしょうか。要するに、今流行りの古民家カフェの家のようなイメージですかね。

 

ただ、古民家の明確な定義はないものの、主な特徴というものはあります。築50年以上のほかに、伝統構法があしらわれているという点があります。

 

木の特性を活かして木と木を組み合わせた木造軸工法で建てられていて、そして茅葺屋根・草葺屋根・日本瓦葺屋根、土間、太い梁があるのが特徴です。

 

伝統構法の最大の特徴としては、不揃いな自然素材を上手に活かし、職人の高度な技術や工夫が詰まった家、それが、最大の特徴であり古民家の魅力でもあるなのかなと思います。

 

ということで、果たして我が家の母屋は、ちゃんとその特徴に当てはまるのか?というと、かなり当てはまります。きっとリフォームすれば古民家カフェもできそうです。

 

さすがに、屋根は藁ぶき屋根ではなく瓦なんですが、玄関を入ってすぐ天井には太い梁(丸太)が廊下に向かって長く伸びていて、家の中にある柱の一部は、木目や木肌、風合いを生かして加工がされています。

 

建物自体は、柱と梁に金具等を一切使わずすべて木組みで作られています。そのほかにも、あちこちに職人技が光っています。

 

祖父が、仲の良かった腕の良い大工さんにお願いして、実際の価格よりもかなりお安く建ててもらったそうです。

 

建築・住宅関係の業者の方がくるたびに、今だと材料自体揃えるのがものすごく大変なのですごく価値のある家だと皆さんに褒められますが、住んでる方としは、ただの古臭い家なんですけどね。

 

小さい頃は、2階建ての洋風な家にそれはそれは憧れました。年々、近所には新築のおしゃれで洋風な家が増えてきたのもあり、私はずっと、こんな木造建築の家にはひとつも魅力を感じず、格好悪いしダサいと思ってしまい友達を家に呼ぶのも嫌でした。

 

つい10年位前までこんな古臭い家に住むのは嫌だと思っていたので、親にはこの古い家を取り壊して今時の素敵な家を建てようと、何度も提案はしてみましたが、

 

良い家なんだから壊すなんてとんでもない!と毎回言われ、何が良い家なのかずっと理解できないまま、とうとうその話が進むことはありませんでした。

 

それが、ある出来事をきっかけに私の考えは変わりました。10年前の東日本大震災の時ですかね。私の住んでいる所は震度6強という、ものすごく被害があった地域でした。

 

家の中にあった家財や家具は飛んで倒れてごちゃごちゃになりましたが、数日経って、落ち着いて家の周辺の被害状況を確認してみると、母屋にはこれといった大きな被害がないということに気づきました。

 

近所を見回すと、おそらく我が家よりも後に建てたであろう木造建築の家が、屋根瓦は崩れ落ち、建物は傾き、倒壊寸前の家までありました。

 

実際に近所の家は、それで建て替えることになったようですが、家を壊すのに約300万、建てるのに数千万かかったと言っていました。

 

実際に震災があった時、私は会社にいたので母屋の様子は知りませんでしたが、母親に聞いたところ、家が上下に激しくバウンドして、障子や襖が勝手に外れて倒れてきて恐ろしかったと言っていました。

 

それなのに、瓦も落ちていないし建物が崩れたり傾いているわけでもないので、壊れた家と壊れない家の違いはなんだろう?とよく考えてみたら、きっとそれが職人技(大工の腕)なんだろうという個人的な結論に至りました。

 

遊びの部分も計算して一つ一つ木と木を組み合わせているので、絶対にずれたり崩れたりしないのかなと。すごいですね。

 

そんなこともあり、この母屋を作った大工さんの想いやこだわりを感じ、震災後は、こういうきちんと建てられた木造建築もイイかもねと、あらためて見直すきっかけになりました。

 

ちなみに、一般的な家の寿命(耐用年数)ですが、

・木造住宅は、約30年
・鉄骨住宅は、30年~50年
・鉄筋コンクリート住宅は、約40年~90年

というのが一つの目安となるようです。

 

木造住宅の寿命がかなり短いですが、木造でもどういう構造で作られているかによって大きく差が出るようです。

 

実際に歴史的な建造物の多くが木造で築100年以上の建物ばかりですし、メンテナンス次第では築200年も夢ではないわけです。

 

それに、木造建築は年数が経てば経つほどに鉄筋コンクリートにはない「味」が出てくるので、それも木造の魅力ですね。

 

震災後に改めて、母屋を建てた亡大工さんの息子さん(大工)にお願いして、建物の状態をよく確認してもらい、一部不安な箇所は補強をしてもらいました。

 

そして最後に、「この家は100年は持つ家ですね」とお墨付きをいただくことができました。

 

残りあと50年。おそらくこの家の寿命が来るころには、老後を迎えたおひとりさまである私が一人で住むことになると思うので、

 

人生100年!これからも一緒に頑張ろう!という気持ちです。ひとまず、私の終の棲家がここにあるようなので一安心。

 

ただ、母屋も私と同じで年々あちこちにガタが来ているので、メンテナンスは欠かせませんけどね。

 

母親いわく、今までこの家の修理やリフォームにかかった費用を全部足すと、小さな新築の家が建てられたと時々ボヤいていたりしますが、ただ、それでもこの家がとても気に入ってるみたいです。

 

ただ一つ心配なのが、この家を最後はどうするか問題ですが、昔の木造建築は基本的にしっかり作られている分、解体するのも大変らしく、現実問題として、もし母屋を壊すとなったら恐ろしい金額になりそうです。

 

どうかあと数十年後も「古民家ブーム」が続いてますように。中古の古民家もなかなか良いですよ。

 

そんなことを考えつつも、売却する前にどうせなら改装して古民家カフェもいいかなとか、田畑があるので老後は自給自足をしてのんびり古民家生活もいいかなとか、

 

NHKの番組「猫のしっぽ カエルの手」に出演しているハーブ研究家のベニシア・スタンリー・スミスさんにも憧れているので、

 

ハーブをたくさん育てて、50代以降は古民家でガーデナーを目指そうかなとか、いろいろ楽しい妄想が膨らむばかりです。もう売却できないですね。

 

おひとりさまの老後というとなんだか暗いイメージばかりですが、田舎の古民家に住んで、好きなことをして小さな幸せを感じながら暮らしてみるのもいいかもしれないですね。

 

それでは、また。

 


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