【自動車保険】本当に安さだけで決めていいの?元損保社員が考える自動車保険を選ぶ基準とは?

保険

「自動車保険ってどこも一緒でしょ」そう思っている人いましたら、

「一緒ではないですのでよく見直したほうがいいですよ」と、私は言ってしまうかもしれません。

 

もう15年位前にはなりますが、私は大手の損害保険会社に勤めていたことがあります。そして、その時は「自動車保険」と」「自賠責保険」の保険金支払の担当者をしていました。

 

テレビなどで自動車事故を起こしたお客様に、電話で「お怪我はございませんか?」と優しく対応する事故担当者のCMを見かけることがあるかと思いますが、私はその仕事もしていました。

 

日本で自動車保険を販売している損害保険会社は、2020年時点で「53社」もあるそうです。その中からどこの保険会社がいいのか決めるとなるとなかなか難しい話ですよね。

 

通常は自分で車を購入した車屋さんで、なんとなく勧められるがままに自動車保険に加入することが多いのかなと思いますが、

 

でも、後になってもっと保険料がところが他にあるのではないかと思い、見直しを検討するという人も多いのではないかと思います。

 

今はインターネットを利用して各保険会社の保険料見積りを一括で取り寄せることができるようになりましたので本当に便利な世の中です。

 

でも、20年以上前はどこの保険会社も補償内容や保険料にあまり違いがありませんでしたので保険料をわざわざ調べる必要もなかったと思います。当時は価格競争などほとんどなく各社のんびりやっていたのではないでしょうか。

 

私は、その大手の損害保険会社に就職するまでは父親の勤務先を通して団体割引のある自動車保険に加入していました。割引が30%もありかなりお得でしたので自動車保険の見直しなど一度も考えたことがありませんでした。

 

そして、私が損害保険会社へ就職することになり勤務先の自動車保険にいざ入ることになった時に保険料を見て驚きました。なんと「社員」であるにも関わらず割引が20%でしたので、逆に今までよりも保険料が高くなってしまいました。

 

これにはもう不満タラタラでした。でも、今さら父親の会社のほうでまた自動車保険に入り直すわけにもいかず、とうとう在職中はその高くなった保険料を払い続けました。

 

ちょうどその頃だったでしょうか。保険料の安さを売りにしたアメリカンホームなど外資系の保険会社が勢いを増してきて、インターネットの普及とともに実店舗を持たない「ネット損保」が数多く現れました。

 

当時は、やはり同業者として他社の自動車保険にとて興味がありました。補償内容に少し見劣りする部分もありましたが、それは保険料の安さに比例しているものでしたので納得感はありました。

 

少なくとも私が勤めていた大手損保は、そもそも補償を少なくした保険料の安いプランなどは販売していませんでしたし、むしろさらに特約などをつけ補償を手厚くしいかに保険料の高いプランに加入してもらかに重点をおいていました。

 

車屋さんなど保険代理店は、お客さんが加入した自動車保険の金額に応じて保険会社から「販売手数料」を受け取り収入としていますので、わざわざ安い保険料プランをお客さんに勧めることはめったにないように思います。

 

「ネット損保」は、そういった保険代理店を持たない販売方法を取っているので保険料をより安くできるのだろうとは思いますが、それにしても自動車保険をよく知る私ですらこんなに保険料を安くできるものなのかとかなり驚きました。

 

もちろん衝撃を受けたのは私だけではなく、昔からある各損害保険会社は戦々恐々としていたことでしょう。保険料を安くしない代わりに各社オリジナルの補償を詰め込んだ自動車保険を販売し始めたのはその頃からなのかなと思います。

 

当時はまだ私も貯金が少なかったですし、ネット損保に切り替えたいと何度も思いました。ネット損保は保険料が安いということは紛れもない事実でしたので、私も退職後にはすぐにネット損保に切り替えました。

 

でも、そのあと自分でも何度か事故に遭いなおさら思いましたが、本当に保険料の安さだけを見て自動車保険を選んでしまっていいのかということです。安さの裏には何かがあると思っていいのかもしれません。

 

この自動車保険を選んで本当に良かったと思う瞬間というのは、やはり事故に遭遇した時ではないでしょうか。その時の対応によって各保険会社の評価が大きく分かれると思っています。

 

私は仕事柄、保険会社が行う事故発生から示談解決となるまでの一連の対応の流れをよく理解しているため、何かの事情で保険会社に全く頼れないことがあったとしも自分で冷静に対応できる自信があります。

 

でも、事故対応の流れなど知らない一般の人は、事故を起こしてしまうとずっと不安や苛立ちが付きまといますので、できれば何も考えず全て保険会社にお任せしたいと思うはずです。

 

その際に保険会社がどのように対応してくれたのかによって、私達の保険会社へのイメージや評価が随分と変わってしまうのはないでしょうか。

 

私は、そのような事故の時こそ「ネット損保」に対してなんだか少し物足りなさを感じてしまいます。

 

私が住んでいる田舎の方ですと特に言えることですが、家の近くにネット損保と提携してる修理工場や保険代理店が無いことが多いということです。

 

私の感覚にはなりますが、交通事故の多くは軽微な接触事故で当事者間で直接話すことも大きく揉めることもなく示談になっているケースが多かったように思います。

 

でも、まれに被害者が事故状況に納得できず激怒して、保険会社を無視して加害者に対し昼夜問わず無理難題を言ってくることがあります。もちろん保険会社もお客さんのほうから相談があれば代わりに交渉をすることにはなりますが、

 

ただ、あくまでそれは「営業時間内」での対応になりますので、年末年始のような長期連休ともなれば、申し訳ないと思いつつ、その休みの間は基本的に当事者間でなんとかしてもらうような話になってしまいます。

 

でも、そんな時こそ強い味方になってくれるのが近所にある「保険代理店」や「車屋さん」ということになります。

 

状況によっては現場にすぐ駆けつけてくれたり、相手とトラブルにならないように色々先回りして話をつけてくれることもあります。

 

私が勤めていた保険会社では、とくに個人のベテラン「保険代理店」の多くが夜中でもお客さんの相談にのり、翌日になって会社に事故の報告をする時には「もう相手方と解決しているからね」と言われることがよくありました。本当に頼もしいですね。

 

「車屋さん」にしても、いつも懇意にしているようなところなら、たとえ「車両保険」などに加入していなかったとしても「レッカー費用」や「代車費用」などもサービスしてくれるところもあったりします。

 

そういうところが、少し保険料が高くても「お金にはかえられない価値がある自動車保険」であったりしますので、

 

もし、「自分で事故対応ができる自信がない」「気軽に相談できる人が近くにいない」というような状況の時に、自動車保険をどこにすれば良いか何を基準にすれば良いのか悩んだ時は保険料の「安さ」ばかりに目を向けるのではなく、

 

毎日お客さんのために頑張っている保険代理店や車屋さんの思いやりが詰まった自動車保険を選んでみるのも良いかもしれません。

 

そこには目に見えないサービスや「安心感」が加算されていることも多くありますのでそれも判断基準にしてみても良いのかなと私は思っています。

 

最後に、決して「ネット損保」が良くないということではないですし、むしろ口コミの評価がとても良い保険会社もたくさんありますので、あくまで自分にあった自動車保険を選ぶ際の一つの基準として参考にしていただけたらと思います。

 

それでは、また。

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