おひとり様が加入するべき生命保険って、いったいどういうものがいいのか疑問を持つ方はたくさんいると思います。
結婚をしていたり扶養家族がいる方などは、家族の生活に大きく影響が出てしまいますので、当然のことながらそれなりにきちんと生命保険に入っていないといけないとは思いますが、私のように独身の場合ですと、はっきり言えば自分のことだけ何とかできればいいですので、本来は手厚い保障は必要ないと思っています。
しかし、独身の知人などに聞いてみると、20代のころから生命保険に入り毎月何万円もかけて高い保険料を払っていて、それでも保障が足りないかもと不安になっている人がけっこう多いように思います。昔から私はそれがどうにも共感できませんでした。
でも、そんなことを思っている私が生命保険の加入をどうするか一番最初に考え出したのは、社会人になって初めて勤めた会社にいた頃でした。
当時、職場によく出入りしていた外交員さんがいました。今なら個人情報の関係で外部の人が事務室内まで入って来るなんてないと思いますが、昔は、仕事中でもお構いなしにズカズカ入ってきて社員の机のところまで来て勧誘するのが当たり前でした。
私が入社して間もない頃は、その外交員さんは私には目もくれず軽い挨拶程度で、他の社員に用事があって頻繁に出入りしている様子でした。その後は、段々と私も顔見知りになりときどき雑談するようになりましたが、会社内ではとくに保険の勧誘はされませんでした。
そんなことが1年近く続いたある日、突然その外交員さんから「会社ではなんとなく話づらいから休日にごはん食べながら楽しくお話ししない?ご馳走するから」とお誘いがありました。
私は、その外交員さんのことを話題が豊富で面白い人と良い印象を持っていましたので、単純にその言葉どおりの意味で受け取って、素直に指定された場所へ行きました。誘われたとき「印鑑を持ってきてね」と言われても何の疑いもなく印鑑まで持参していきました。
今となっては、私が入社した時点から完全に狙っていたんでしょうね。警戒されないように少しずつ少しずつ長い時間かけて近づいて、私が心を開いてきた段階で一気に契約させようという魂胆だったのだと思います。なんだか恐ろしいです。
当時23歳だった私は、その外交員さんが勢いよく話しまくる保険商品の説明をただただ茫然と聞くだけでしたが、しばらくしてバックから契約書とボールペンを取り出しテーブルに置かれた時に、初めてなんで私が食事に誘われたのか意味が分かりました。完全にカモでしたね。
たしかその時は、生命保険料が月2万くらいの商品を勧められたように思います。その外交員さんの説明では、年齢が上がるごとに少し保険料が高くなるけど、保障はたくさんあるから歳を取った時にすごく安心だとか、とにかくメリットばかりを強調して話していたような記憶があります。
ただ、私は当時23歳とはいえ、それまで自分なりにお金の管理をきちんとしてやってきていましたので、この何だかよく分からないものに高いお金は払えないと最初から思っていましたので、外交員さんの強引な勧誘にも屈せず「家族に相談します!」と言ってパンフレットだけをもらいすぐ帰りました。
すぐに母親に相談したところ、外交員が勧める商品というのは、本人にとって良いかというよりも契約手数料が高く外交員が得する保険商品が多いから、基本的に良いものはないと言われました。確かに、もらったパンフレットには独身女性なのに死亡保険金1000万円、入院や通院も補償が高めにが設定されていた記憶がありますので、今考えても無駄な補償だと思います。
独身だと亡くなってもせいぜいお葬式代くらいしかかからないし、20代30代は健康に気をつけていればほとんど病気にならないから今は高い生命保険は必要ないよ、とその時に母親に言われ、その後のしつこい勧誘にもめげず生命保険の契約はしませんでした。
結局、その出来事がきっかけで、当時は生命保険など何も入っていなかった私ですが、一つくらいは何かに加入しておこうと思い、保険料が安いけど補償はそれなりにある掛け捨ての「県民共済」に加入することしました。
そういうことがあり、いまだに月2000円の掛け捨ての県民共済のみです。健康にも気をつけていたほうですので、いまだに入院するほどの大きい病気にもなっていません。しかも、もしものことを考えて貯金もしっかりしてきましたので、その手の生命保険に加入することはもうないと思っています。
でも、そろそろ年齢的に癌なども心配ですし、これからいろいろな病気にかかりそうですので先進医療などの保障が特約でつけられる3000円のプランに変更しようかなとは考えています。
ちなみに「県民共済」の良いところですが、会社の決算で余剰金がでたときは、掛けた保険料が「割戻金」という形で戻ってくることでしょうかね。茨城県だと30%くらい戻ってきますので、実際の保険料の負担がかなり少ないですので本当に助かっています。
ところで、40代にもなってくると同世代の友人や知人から病気で入院したという話をよく聞くようになりました。
その中でも特に多かったのが「乳癌」です。ここ数年のうちに乳癌にかかった人が4人もいました。全員、発症は40代です。国立がん研究センターがん対策情報センターの調査だと、日本人女性の12人に1人の割合で乳がんになっているそうです。
癌ばかりではなく近所に住む少し年上の人も何人か病気で亡くなった話を聞くこともあり、いつ自分も病気になるのかと最近はどきどきしています。
特に女性に多い乳癌ですが、乳癌になりやすい人の特徴などはよくインターネットで見かけます。例えば以下の通りです。
- 初潮が早い
- 閉経が遅い
- 閉経後太り気味
- 出産していない
- 30歳を過ぎてから初産
- 母、姉妹に乳がんの人がいる
- 飲酒や喫煙あり
これは、乳癌になった7割の人が女性ホルモンのエストロゲンが関係していることから、エストロゲンの分泌が盛んな月経の回数が多い人ほど乳癌になりやすいとの医学的な根拠をもとに言われているようです。
ただ、私はあまり関係ないように思っています。その乳癌になった4人は、既婚、未婚、出産経験あり、痩せている、飲酒や喫煙なしなど特徴がバラバラで共通点がありません。結局のところは、誰もが乳癌にかかるリスクがあるのだろうと思っています。もうこれは運ですね。
でも、乳癌になっても早期発見はすることはできますので、私はその友人達の話を聞いてから、セルフチェック、超音波検査、マンモグラフィーは定期的に行うようにしています。
数年前に左胸にゴロっとした固いものを発見した時がありましたが、セルフチェックのおかげですぐ気づくことができ急いで病院で検査をしてもらいました。
その時の診断結果は、乳癌ではなく「のう胞」とのことでした。いちおう細胞を癌センターに送り調べてもらいましたが癌ではありませんでした。結果が出るまでの間はとても不安でしたし入院のことやお金のことを真剣に考えました。
ちなみに、「のう胞」とは乳管内部に水分が溜まることが原因とされていて、乳房内で作られた乳汁などの水分は乳管を通じて乳頭から体外へ分泌されますが、何かの原因で水分が体内に溜まってしまうことがあり、この水分を溜め込んだ袋状のしこりを言うそうです。要するに中身は水でした。
でも、もしこれが乳癌だった場合ですが、ステージにもよりますが、その治療費は最初の1年目で手術費用をあわせると約100万円近くかかるようです。世間の皆さんが言うように癌の治療費はかなり高いですよね。
でも、誰もが加入している健康保険や高額療養費制度などを使うことによって高額の治療費が最終的には自己負担が10万円未満で済むともよくあるようです。ジェネッリック医薬品を使えばさらに安くなります。
医療費は、だいたいが最初の1年目に手術などをしてかなり費用がかかることが多いですので、仮に健康保険などが支給されるまでの間に一時的に自分で立替えたとしても貯金が十分にあればそれも賄えます。ですので、やはりわざわざ高い保険料の生命保険に加入する必要性はないように思います。
ただ、貯金が十分にあるかと言ってまったく保険に加入しないというのは、さすがにリスクが高すぎますので、そこで県民共済のような安い保険料の割にはそこそこ補償が良い「掛け捨て生命保険」がちょうど良いのかなと個人的には思っています。
もちろん、掛け捨て保険が絶対良いのかというと、人れぞれ状況や考え方が違いますので絶対おすすめするものではありませんが、ただ、独身者なら特に本当に今の自分に必要な保険は何なのか一度見直してみるのもいいんじゃないのかなと思いました。
いずれにしても、生命保険はおまけだと思って、それがなくても心配なく暮らせるように健康管理と金銭管理はこれからもしっかりしていこうと思っています。
それでは、また。